ローカルキャリア研究所

ローカルでキャリアを積んでいる人の大研究

長野県塩尻市

加藤 彰紘さん

かとう あきひろ

株式会社ハウテレビジョン Liiga事業本部 事業開発担当
一般社団法人塩尻市森林公社 企画担当 

加藤 彰紘さんの経歴

2009年

株式会社リクルートに新卒で入社(12年10月分社化しリクルートライフスタイル籍に)

2016年
2~3月

社会人の7年目(31歳)の時に、体調を崩し1ヶ月入院

2016年
6~7月

転機

官民協働プロジェクト「MICHIKARA二期」に リクルートの社員として参加

2017年
3月

転機

一般社団法人塩尻市森林公社より嘱託社員の企画メンバーのオファーをもらう

2017年
4月

転機

リクルートライフスタイルに在籍しながら一般社団法人塩尻市森林公社の嘱託社員として兼業を開始

2017年
7月末

リクルートライフスタイルを退職。地域をプロデュースするベンチャー企業に転職。

キャリアのステップアップは、縦に登っていくことだけでなく、自分の「やりたいこと・できること」が横に広がっていくことでもある。横に広がり、縦に登り、立体的に大きくしてくことが不確実な時代において大事だと考える。

長野県塩尻市が実施している「地方創生協働リーダーシッププログラム(MICHIKARA)」。首都圏の大手企業のプロフェッショナル社員と、市の担当職員が協働し、市が抱える行政課題の解決案を検討する取り組みだ。このMICHIKARAがきっかけとなり、首都圏と塩尻で働く、パラレルキャリアを歩んでいる人物が、今回取材した加藤さんである。「地域の魅力を最大化するような、魅力(=コンテンツ)を生み出したい。」と語る加藤さんのキャリアをうかがった。

塩尻との出会い

2009年に株式会社リクルートに新卒で入社し、旅行・美容・新卒採用・決済分野を経験。また、営業・渉外・企画・アライアンス・新規事業開発などの幅広い職種を経験し、事業・ビジネス作りのエッセンスを多く学ぶ。

転機はリクルートライフスタイル在籍中の2016年6月。官民協働プロジェクト「MICHIKARA二期」にリクルートライフスタイルの社員として参加する。テーマは林業・ICT・道の駅・子育てなど計6つあり、林業をテーマにしたプロジェクトに参加する。地域での事業づくりや地方創生に興味があったことから、自ら希望をして、社内選考を経て、参加したという。
 
当初、林業の知識は全くないに等しい状態だったので、主伐と間伐、針葉樹と広葉樹の違いといった基礎的なことからプロジェクトメンバーと協力しあって学んだ。産業としての構造把握や塩尻市のリアルな現状調査をする中で、本質的な課題を設定し、本質的かつ継続的に進められる可能性が高いスキームを市(市長・副市長・教育長の3役)に提案した。

社会人になって、圧倒的な熱量と想いを持って、取り組んだ経験はMICHIKARAだと語る加藤さん。2ヶ月という短い期間ではあったが、自身のほしい未来につながるプロジェクトであり、プロジェクトの結果如何によって、住民の方の生活と市の未来が大きく変わっていく責任感と期待を感じるものだったので、覚悟を持ち、取り組んだという。

「MICHIKARA二期」のプロジェクトが終わったことで、塩尻市との業務上の関わりがなくなっていたが、半年後の2017年春に、一般社団法人塩尻市森林公社を設立することになったので、嘱託社員の企画メンバーとして、仕事をしてもらえないかとオファーをもらう。リクルートライフスタイルに勤めていたので、兼業という形で月1〜2回程度、塩尻に訪問し、それ以外はリモートワークで対応する契約で働くこととなる。

4月からの3ヶ月はリクルートライフスタイルとの兼業という形で働いていたが、地域というフィールドをテーマに一本軸を通して仕事したいと思い、2017年7月末にリクルートライフスタイルを退職し、地域をプロデュースするベンチャー企業に転職。
 
こうしたキャリアの変遷は全て「MICHIKARA二期」のプロジェクトに参加したことから始まった。約2ヶ月の短いプロジェクトがきっかけではあったが、その2ヶ月の濃密な期間の中で、一緒にプロジェクトに取り組んでくれたメンバー・サポートしてくれた塩尻市職員の方々の本気さ・優しさ、林業の奥深さや素晴らしさ、林業に関わる人の想いへの尊敬などがある。そして、縁あって一般社団法人に迎え入れたいと思ってくれる方々がいたことによって、今がある。

キャリアの原点と転機

社会人1〜3年目に旅行領域事業で働いた経験が原点だと加藤さんは語る。当時は、愛媛県の南部エリア・高知県の西部エリアの担当をしており、宇和島・四万十川・足摺といったその土地ならではの食や風習・原風景が残る地域で、人の温かさを強く感じさせてもらった。それが社会人の原点であり、地域・ローカルといったテーマに取り組みたいと思う原点であった。

また、社会人の7年目(31歳)の時に、体調を崩し1ヶ月入院したことがあった。その時に、今までとこれからの生き方・働き方について、自分自身と向き合い、考えていく機会となった。その中で、自分や家族の幸せをどう最大化していくのか?ということを改めてとても大切にしたいと強く思うようになり、将来的には、妻の所縁のある岡山県へ移住することを考えるようになった。また、東京という場所・企業に制限されることなく、面白いことをやっていきたい、やり続けていきたいとも思い、そのためには自ら仕事を生み出していける必要があると考え、ほしい未来を自ら作る決意とともに、チャレンジしていく転機となった。

これから

2年後には、岡山にも行こうと思っているので今携わっている領域で進むのか、違う領域に向かうのかそういった決断もする。岡山に行くとなると長期的にそこで生活することを決めているので、その町に人がより住みたくなるような場所にする取り組みをし、価値をつくっていきたい。人口減少が加速し、自治体すらも選ばれる時代になっていくと思うので、自分が住む場所をより良くすることに貢献していきたい。そして、自分自身がずっとワクワクできる働き方・生き方を作り上げていきたい。 

「越境の中で価値を作っていきたい」「自分が生きてきた点と点をつなぎ線をつないでいく」 東京で働いてきたことと、塩尻で木とともに働いてきたこと。この二つの体験にどういう価値を作るのか考えており、片方の世界だけで生きるのではなく、両方をつなぐ様なことができるといいと思っている。これからは経済も働き方も自由に選べるようになっていく時代。そのような選択肢を見せられる存在になりたい。

レポーターより

取材させていただいた加藤さんも、私自身も複業をし、複数の地域を活動拠点として活動をしています。プロフェッショナルとして何か一芸に秀でて働くのではなく、複数の分野にまたがって働くということを選んだからには、よりインプットとアウトプットの総量を上げていく必要がある。

取材の中でお互いの中に出て来た「越境」というキーワード。何らかのコミュニティを超え、既存の枠組みを超えることで価値観が交わり、その地域や個人に合った取り組みが生まれていくのではないかと感じました。

reported by

山田 卓哉

やまだ たくや

NPO法人 G-net 職員、
NPO法人 大ナゴヤ・ユニバーシティー・ネットワーク 理事/大ナゴヤ大学 学長
(岐阜県関市及び岐阜エリア)

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